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カテゴリ:建築( 93 )

利根川進さんが二日に渡ってルイス・カーンのソーク研究所が素晴らしいと書いています。
日本経済新聞「私の履歴書」の掲載文の話です。
昨日10月10日の結びは、
ラホヤが気に入っていましたし、隣には、医学生物学分野で有名なソーク研究所があります。この研究所は、ポリオワクチンを発見して多くの子どもの命を救った、ジョナス・ソーク医師のところに集まった多額の寄付金を基に設立。建物は世界的な建築家ルイス・カーンのデザインで、夕日が沈む太平洋に向けて広がる大理石のコートヤードを中心にコの字形に研究室が配置された、素晴らしい芸術作品です。そこでひときわ活発に研究していたのがレナート・ダルベッコ博士でした。

今日10月11日の写真に、
ソーク研究所は建物が芸術的

と書いています。
利根川進さんはノーベル生理学・医学賞を受賞された生物学者です。30回連載「私の履歴書」で書きたい事は山のようにあるでしょうに、建物にこれほどの賛辞を寄せているのが嬉しい。建物の芸術性を使ってる人が理解し、愛していたのが嬉しい。
昨日10月10日産経新聞「デザインで人と人をつなぐ松岡恭子の一刀両断」で黒川紀章設計の福岡銀行を取り上げています。
地域文化に貢献するという企業の姿勢を「かたち」で表した希少な例と言えるでしょう。・・・
敷地や機能に「閉じる」ことなく、公に供し、都市の文化を育てるという思想に基づいた建物が建ったということは、福岡市民の誇りとすべきではないでしょうか。

市民が建物を誇りにし、大切に守っていく成熟した社会になってほしいものです。
ソーク研究所

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新聞「私の履歴書」とソーク研究所の平面図
人口が減少に転じてこれからのものつくりは、今までの手法とは違うはず。
それを、西村浩さんは「遠投力」があるかないかと表現します。
今は理解されないけれど、遠い先の時代に解かるもの、だそうです。
今までの手法と違ったまだ誰も取り組んだ事のない街づくりを西村浩さんは挑戦しています。
住民参加型で持続的賑わい再生を図る、スキとカネがキーワードだと。
佐賀市再生の取り組みで、駐車場化している空地を原っぱにしたらどう街が再生するかの試みが見事。
民間も行政も巻き込んでやる気にさせるには相当なエネルギーを有するはず。
100%を目指し、70%できたら大成功だそうです。
出来なかった事は次のプロジェクトで成功させようとあくまでポジティブ。
参加者皆が世の中を見る目が変わり自分も関わっていこうと感じたはず。
エネルギー充満のセミナーでした。
片廊下型の1Kの築40年になるアパート。
若いシェフが頑張っていました。
口コミか、発信が上手なのか、若者から年配者まで次々に客が入ってきて繁盛している様子。
他の住戸も喫茶店や雑貨屋に変身しています。
ビル再生は若い力で、いいね。
墓参りハシゴ中、若い家族の案内で入りました。
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今まで、
JR博多シティの建物を、「効率優先の巨大な駅舎が必要なのか?」
と否定的見方をしていたので、つまらない建物としてしか見えていなかったようです。
「これ折り紙建築にならないか?」
と写真を観察していると設計者の意図がだんだん解かって来て魅力を見つけました。
何でも受け入れ、良いところを発見する方がお得です。
淀川 長治さんは「今まで嫌いな人に有ったことが無い」と言っていました。
これもプラス思考の見方ですね。
”ぐるーと佐賀めぐり”で移動していて感じたのは、緑が深いこと。
China on the park内「究林登」で食事をしていて解かりました。
近景の緑と遠景の緑が層になって奥深いのです。
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「究林登」天井一杯の窓から深い緑が溢れてくる

「忠次舘」は何回来ても静かな魅力的佇まいです。
設計者柿沼守利氏の光圓寺を4月に見学したので、また愛情を持って見ることができます。
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「忠次舘」

20年以上アウトレットショップ「瓷器倉」で日常使いの器を買っていますが、
スタンダードな型がだんだん無くなってきているのが寂しい。
OPEN前から話題になって気になっていた武雄市立図書館にやっと行きました。
図書館も本屋も喫茶店も安らぎの場なのですから
一緒になった相乗効果で良い空間になるのは当たり前、おまけに建物も魅力的!
雨なのに外のテーブルでくつろぎたくなるの、よーくわかります。
今度は読書仲間と視察に来よーと。
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この写真を見て気がついた!外観デザインコンセプトは山にあり!?
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旬の販売本が多いのも、良いかも?座って読むのは自由だから、税金を使って雑誌類蔵書が不要になる。
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来館者はお話しているけれど館内は静か、DVDレンタル空間は煩いのに図書館側に漏れない、見事。
書架の照明が綺麗。館内は明るすぎず、書架と本を読むスペースは十分な明かり。
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テラスが良い。雨樋にビックリ。
千葉大学頴原澄子准教授(建築史・建築保存論専門)より
進呈本「身近のところからはじめる建築保存」を受けとりました。
開封と同時に一気に読み上げました。
福岡の建築のみならず国内外の近現代建築に触れ、建物背景にある歴史、それを使う人々までの事例紹介がされ、頴原先生の建築に対する愛情が溢れている良い本です。お勧めします。

頴原先生とは大学の授業でご一緒していました。
先生は、在室中は研究室の扉を開けていらっしゃる貴重な方でした。
2010年度「居住環境設計」(集合集宅グループ設計)私の担当科目にご意見番としてお誘いしたところ、
2回の中間発表とブース合評会、全体合評会にすべてに出席下さり、
各グループに具体的事例を挙げ比較研究するように指導頂きました。
2回目中間発表時に進捗のないグループには、「建築辞めなさい」と厳しい叱咤も頂きました。
深い愛情と後のサポートをする覚悟がないと叱ることは出来ません。
その場で喝を入れたのが印象的だったといって頴原先生のゼミを希望する学生もかなりいたそうです。
「心ある学生は、厳しさを求めていることも分かり、勇気づけられました。」と、
頴原先生からお言葉も頂きました。
そんな先生の建築の見方と建築保存の考え方の易しい市民向けの本です。是非手に取ってください。

この年の授業では3年生、4年生先輩も発表に顔を出してくれ、
授業の終わった非常勤講師も飛び入り参加するなど
ギャラリーの方が多い賑やかな発表会となりました。
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「時間が無い時は水周りだけピカピカにしとけばいい」と聞いてはいたのに
一番後回しになって時間切れ。
ま、いいか。

「自宅でお風呂に入りません」と言う人に一人、二人といわずいる。
外国建築雑誌で台所の無いプランを目にする。
調理無し、風呂も外と割り切ると個人宅に台所も風呂も不要になる。
白井晟一じゃなし便所は必要だから昔の下宿屋は生活の基は揃っていた事になる。
「ゆったりと作った風呂を改造してシャワー室と余裕空間にした」と
著名なエッセイストの自宅リフォーム本で読んだが、確かに歳を取ると風呂掃除は面倒。
新婚から夫婦寝室を分ける話もある。
時代と年齢が変わると住まいも変わる。
可変可能なモデュールに添った大らかな住宅がいいね。
動線と家具配置の話がごちゃ混ぜで話題になり、共通認識の会話が出来ず困りました。

広辞苑第二版に、「動線」は載っていません。
goo辞書で「動線」は、
「建築や都市における人や物の動きを示す線。方向・頻度・時間的変化などを表示し、建築設計や都市計画の判断材料とする。」
と出てきます。
ネット辞書はどこも似たように書いています。
「動線」は、建築用語であり、部屋の模様替えなどで対応できるものではないように思います。
私たち設計者にとって、建物の動線計画は、最重要課題であり、
特に住宅の動線は、生活を決定するので依頼主と議論を重ね熟慮のすえ決めます。
住宅学習会などで、私がテーマにするのも動線の話です。

クリーニング屋さんが婦人物パンツを「パンタロン」と表現するので、
「久しぶりに聞きました」と言うと
「パンツと言うと年配者は下着を連想するのでウチはずっとパンタロンで通しています」
「スパゲッティと言うと娘からパスタってチェックが入りますが、
スパゲッティの言葉もパンタロンみたいに若い世代には古臭く聞こえるんでしょうね」
「チュニックも長上着とか長セーターとか書きます。
若い人に違和感があっても姿が想像できる。年配者にも伝わる言葉を使えば良いんですよ」
と言葉談義になりました。
万人に通じ間違いなく同一物を指し示す「言葉」、そんなの有ったらいいな。
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1991年1月の動線に関するコラム記事原稿。22年たった現在も考え方は同じです。
それにしても、この頃の方が作文力がある。20年の空白は大きい。
福岡に暮らしや心を豊かにするデザインを育む土壌を作ることが私たちFAFの目的です。
デザインの魅力や優れたつくり手について市民に知ってもらい、次代を担うデザイナーを育てていきます。

と理念を掲げたFAFの福岡近現代建築ツアーに参加しました。
今回のコースは、天神ビル、福岡銀行本店、福岡警固教会、光圓寺です。
おもしろい!
建築関係以外の方が結構参加しているのが面白い。
街の風景になっている天神ビルが解説を聞くと輝いて見えるのが面白い。
天神ビル特徴のアール付きサッシュの窓開閉が軽くスムーズなのを体験でき面白い。
「下見の時、倉庫で埃をかぶっていた模型を表舞台に出した」という建築模型経緯が面白い。
「防水処理無で雨漏りしない」との緻密なコンクリートの鎮ブロック造の教会が面白い。
住職は「予算と、本堂に回廊を付ける要求だけで後は設計者さんにお任せした」と言う寺が、
松涛美術館や親和銀行本店に繋がる精神性を感じられたのが面白い。
「広島でも建築ツアーやっています」と言う建築士が参加しているのが面白い。
大名街歩きを案内された解説者に「ブラタモリみたいですね」と感想をいうと
「それが理想です、タモリは先輩ですから」と答えが返ってきたのが面白い。
夏のペーパークラフトワークショップで同じように感動を与えられるか、プレッシャーです。
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天神ビルより北を望む

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天神ビル(福岡銀行本店中央広場側から見る・三日月スリットが上部に)

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福岡銀行コンペ模型

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福岡銀行三日月スリット

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福岡銀行地下ホワイエ

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福岡銀行コンサートホール(粘土でエスキスしたとか)(シドニーオペラハウスオペラホールより座り心地の良い椅子)

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警固教会(折り紙建築になりそう)

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光圓寺(施工者泣かせの超ディティール)

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光圓寺入口(チャイナオンザパークに似ている。設計者同じ柿沼守利氏)

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光圓寺エントランスホール

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光圓寺和室広縁から庭を見る